「お前ら全員死刑!」池袋に突如現れた謎の巨大生物を皮切りに、次々と発生する怪事件!「終身刑」を言い渡された竜二たちは、「生か死か」を迫る理不尽なゲームを生き残ることが出来るのか? 

 

煉獄ゲームのあらすじ 

池袋に突如出現した謎の巨大生物。現場に居合わせた者たちはこぞって映画のセットだと思い、物珍しさにカメラのシャッターを切っていたが、その中の一人に足を蹴られて怒った生物に全員「死刑」を宣告されてしまう。 

 

居酒屋「トッQ」で働く神木竜二(かみき・りゅうじ)は、小柄な体と気弱な性格でバイト仲間からしょっちゅういじめられており、その度に同じバイト仲間の宮内大蔵(みやうち・たいぞう)に助けられていた。 

 

ある夜、同じく竜二と大蔵のバイト仲間で池袋での怪現象を目撃していた瀧本カナ(たきもと・かな)が、職場復帰直後に二人の目の前で謎の爆発死を遂げる。その腕には「死刑執行」の文字が彫られていた。 

 

「これは殺人だ」無残な形で恋人のカナを失った大蔵は復讐を誓い、竜二とともに池袋の現場を訪れたが、そこで出会った奇妙な子供に「死刑」を宣告されてしまうのだった…。 

煉獄ゲームのネタバレや感想

池袋に突然姿を現した、人間の顔とタコの足を持つ謎の巨大生物。 

 

うわなにこれ!?デッケー!映画のセット?」目撃した人たちは、パチパチと写真に撮り、一斉に写メを送り始めます。中には「うお硬えよこいつ!」と、怪生物の足を蹴ってみる人も。 

 

「い、痛い…やめて…」と小声で訴えるタコ巨人。でっかいナリはしてますが、ちっこい人間の一蹴りを痛がるとは、相当ナイーブな体をしているようです。 

 

…誰も助けてくれないの…?ボソッ 

 

都会の真中で、突然奇妙な姿の巨人がでーんと現れたら、そりゃ誰だって映画のセットかなんかと思っちゃいますよ。助けて欲しければ、まずはみんなの誤解を解かなきゃ。人語が話せるのなら、とりあえず自己紹介から始めてみては? 

 

…なら、お前ら全員死刑! 

 

って、んな無茶な! 

 

こうして理不尽な殺人ゲームの幕が切って落とされたのでした。 

 

所は変わって、ここは居酒屋「トッQ」。 

 

小動物のように小っこくて気が弱く、周りの空気が読めずに失敗ばかりしているドジっ子竜ちゃん。いつもバイト仲間のお兄さんたちからいじめられては、強くてカッコイイ大蔵君に助けられています。 

 

今夜も、ルービック・キューブをカチャカチャいじりながら、バイト仲間たち一人が出したクイズに怪しげな回答で応え、みんなにいじられておりました。 

 

  • A「おまいらの尊敬する人物は?」 
  • B「はーい!織田信長!」 
  • C「宮本武蔵!」 
  • D「リンカーン!」 
  • 竜二「実徳さん」 
  • みんな「はあ?ジットクさん?誰やねんそれ?」 
  • 竜二「ボクがいた児童養護施設の人。めっちゃ尊敬してる」 
  • みんな「んな奴知るかボケェ!歴史上の有名人物を挙げんかい!」 
  • 竜二「え?え?だ、だって、質問は尊敬する人物ってだけで、歴史上の人物とは」 
  • みんな「アホォ!そんなん言わんでも分かるやろぉ?空気読めやぁ!」 

 

うん。空気読めてないですね。そんなんじゃ世渡りできませんよ、竜二君。 

 

でも、実はこれ、竜二君が正しいんですね。確かに質問は「尊敬する人物」のみ。自分が尊敬している人であれば、ジットクさんだろうがホットクさんだろうが正解なわけです。 

 

女子「ねーねー、着替え室に落ちてたこのストラップ、誰の?」 

竜二「あ、それカナちゃんの。彼女のバッグの中に入ってるスマホについてるの見た。スマホケースやハンカチにも、そのストラップのキャラが描いてあった。間違いなし」 

女子「何こいつ詳しすぎ…ストーカーや…(ドン引き)」 

 

うん。ストーカーですね。普通、人様のバッグの中に入ってるものなんて憶えてませんよ、竜二君。 

 

でも、実はこれ、竜二君の特技の一つなんですね。彼が見てるのはルービック・キューブだけじゃない。あの小動物のようにくりくりっとした大きな目で、周りの状況を細いところまで観察して記憶してるんです。大蔵君とカナちゃんの仲だって、みんなは気づいてないけど彼はちゃーんと知ってます。流石にカナちゃんのバッグの中身まで把握してるのはちょっとアレですが。 

 

こうした竜二君の鋭い観察眼、周りに流されない論理的思考と分析力、そして的確な推理力が、この後の展開で重要な意味を持ってくるんですね。 

 

何気ない居酒屋のバイト風景。しかし、我らがアイドルの美少女カナちゃんが、恋人の大蔵君と小動物の竜二君の目の前で謎の爆死を遂げてから、事態が急変します。 

 

カナの腕に彫られていた『死刑執行』の文字…カナは誰かに殺されたんだ!許さねえ!」復讐に燃える大蔵君。 

 

許さねえって言ったって…カナちゃんは君の目の前で爆死したんですよ?人をリモートで爆死させる人物っていったら、これはもう、胸に七つの傷を持つあの暗殺拳の伝承者しかいないですよ。君がどう力んだって、指先一つで返り討ちにされちゃうのがオチ。警察に任せなさい警察に。 

 

竜二君も竜二君です。二人の手に負えることじゃないって、君ならすぐに分かるでしょ?小動物ごときが「ボクも協力スル!」なんて強がってないで、さっさと大蔵君連れて警察に行きなさい警察に。 

 

しかし、二人は手がかりを求めて池袋の現場へ。そこで奇妙な子供に出会い、 

 

  • 子供「ホーッホッホッホ 君たち、今私を盗撮しましたね?」 
  • 二人「え?」 
  • 子供「死刑です」 
  • 二人「は?」 
  • 子供「ドーーーーーン!」 
  • 二人「ひゃあああああ!」 

 

…という、笑ウせえるすまんのような仕打ちを受けてしまうのでした…ほーら言わんこっちゃない… 

 

まとめ

王様ゲーム」や「ドクムシ」のような、今流行り(?)のリアル殺人サバイバルゲーム路線をいく本作。正直、この手の作品は強引で陰湿で救いのない展開や結末が多いので苦手なのですが、序盤に登場するタコ巨人の迫力と主人公の竜二君の可愛いお顔につられ、つい読み進んでしまいました。 

バイト仲間のカナの変死をきっかけに、イケメンの大蔵君と共に怪事件に巻き込まれてしまった竜二君。事件の発端となった池袋の現場で手がかりを探していた二人は、三輪車に乗った謎の子供に「死刑」を宣告され、直後に異次元空間のような不思議な場所に飛ばされてしまいます。そこには同じように強制的に連れてこられた大勢の人たちが… 

そして件の子供から「正解なら生きて帰れる、不正解なら死ぬ」という究極のクイズを出題されるのですが、鋭い観察眼と推理力を発揮し、見事正解を言い当ててなんとか生還。しかし、腕には「終身刑」の文字が…。 

この手のテーマにつきものの、参加者がゲーム感覚で無造作に惨殺されていくシーンと、竜二君が過去に「たまたま」同じような問題を出されていたという「ご都合主義」的な展開にちょっと興ざめしてしまいましたが、ただ人が殺し合うのではなく、クイズを解くという知的な要素が含まれており、間違ったら死ぬという極限状態の中で必死に頭を働かせ、仲間の信頼と協力を得ながら正解を勝ち取っていくプロセスがなかなか面白かったです。