猫死んじゃった!女子死んじゃった!お薬あげたらゾンビになった!ネクロフィリアな男子とゾンビ美少女が繰り広げるラブコメディー! 

 

 

さんかれあのあらすじ

県立紫陽(しよう)高校1年の降谷千紘(ふるや・ちひろ)は、B級ホラー映画でお馴染みのゾンビ(人を襲う生きた死体)が大好き。当初はゾンビ関係のキャラクターグッズを収集したり、ゾンビ映画のDVDを鑑賞したりする程度だったが、愛猫ばーぶの死をきっかけに、ばーぶのゾンビ化を思い立つ。 

 

ある夜、一冊の怪しげな「蘇生術」の書物を頼りに、いつものように廃墟ホテルの中に侵入し、こっそりとばーぶの「蘇生」に取り組んでいた千紘は、同じく毎夜廃墟ホテルの側にある古井戸に出向き、父親の異常な性的嗜好と過度の束縛に対する不満を井戸の底に向かってぶちまけていた私立散華(さんか)女子学園に通う美少女、散華礼弥(さんか・れあ)と知り合い、秘密を共有することに。 

 

新たに礼弥という協力者を得、死体を蘇らせる薬の開発を続ける千紘。書物自体の損傷が激しく、情報が不足していることから、試行錯誤をしながら作ってきた薬はいずれもばーぶを蘇生させるには至らない。 

 

これでダメだったらもう諦めよう」と、礼弥が採ってきた紫陽花(あじさい)を使って作り上げた最後の薬を投与したが、ばーぶはピクリとも動かない。実りなき結果に落胆しながらばーぶをアイスボックスに戻し、帰路についた二人だったが、実はボックスの中で蘇生を果たしていた。自宅でボックスの蓋を開けた途端に逃げていったばーぶを見て、千紘は薬が完成していたことを知る。 

 

一方、そうとは知らない礼弥は、秘密の外出がバレて父親の折檻を受け、今後一切の外出を禁じられてしまう。悲観にくれた彼女は、千紘に内緒で持ち帰っていた薬を飲み、自殺を図った。 

 

結局死ねずに朝を迎えた礼弥だが、父親が千紘に危害を加えようとしていることを知り、阻止するべく千紘の元に急ぐ。一方、千紘は逃げるばーぶの後を追い、薬の調合に使った紫陽花が生えている崖の下に来ていた。 

 

同じ崖の上で父親と対峙していた礼弥は、近づいてきたばーぶを見て薬の完成を悟ったが、動物嫌いの父親からばーぶをかばった際に崖から転落し、命を落としてしまう。しかしその後、薬の効果でゾンビとなり、千紘の前に現れた。かくして「生ける屍」礼弥と千紘の奇妙な生活が始まった。 

 

さんかれあのネタバレや感想

生きた女には興味ねー」とアブナイ発言をするゾンビオタクの千紘君。もはやDVDやキャラグッズの収集などでは満足できず、交通事故で死んでしまった愛猫の亡骸と、「蘇生術」なる内容が書かれた古本を手に、ついにゾンビの創造に乗り出します。 

 

どこの誰がいつ何のつもりで書いたのか分からない薄汚れた古本、それも文字の説明だけで充分理解できるのに、わざわざ挿絵を入れたりして無駄にスペースを費やし、肝心な部分が読めないという、極めて胡散臭い本を元にゾンビを創り出そうとするとは、なんという無謀。でも、こういう非常識なまでに探究心の旺盛な子が、画期的な発見とか発明とかしたりするんですよね。その情熱と行動力には感服するけど、夜中に廃ビルの一室で猫の死体を弄るなんて、狂気じみてて怖い。出来ればお友達になりたくないタイプです。 

 

そういえば、千紘君のいとこの左王子蘭子(さおうじ・らんこ)ちゃんも、いくらいとことは言え、年頃の男子に挑発的なポーズをとるとか、堂々と裸を見せるとか、なんか挙動がおかしい。ゾンビ化したばーぶちゃんを見ても大して怖がってないし。 

 

一方、典型的な箱入り娘の礼弥ちゃんは、ロリコン親父の変態趣味に付き合わされるのが嫌で、夜な夜な屋敷を抜けだしては、すぐ近くで千紘君がおぞましい実験にいそしんでいるとも知らず、ホテル跡の側の古井戸の底に向かって「テメエの娘を裸に剥いて写真撮ってんじゃねーよこのロリコンエロ親父!」と叫び、日頃の不満を発散させていました。 

 

高校生にもなって父親の異常な性的嗜好に疑問を抱かず、毎年ホイホイと裸になったり、雨がしとしと降っている中、街灯も何もない漆喰の闇の中をたった一人で歩いてきたり、井戸の底に向かって叫んだり、千紘君に胸元を覗きこまれてるのにも気づかない彼女に、単に天然情弱娘と一言で片付けられない、アレ的な何かを感じます。 

 

そういえば、礼弥ちゃんの母親も、夫の変態趣味に全く気づかず(気づいているけど気にしてない?)、夫による娘への虐待も意に介さず、年頃の娘が毎夜一人で出歩いているというのに全く心配していない様子。 

 

お互いの異常な行為が縁で知り合った千紘君と礼弥ちゃん。ゾンビ命の千紘君は、誰もが憧れるセクシー美少女の礼弥ちゃんと、誰も寄り付かない廃墟ホテルの一室で二人っきりだってのに、非常に淡白(見るべきところはしっかり見てますが)。礼弥ちゃんは礼弥ちゃんで、猫の死体を何日間もいじくりまわし、ゾンビを創りだそうとしているアブナイ奴と一緒だってのに、全然平気。 

 

で、千紘君と二人してゾンビ薬の製造に取り組むのですが、材料の一つである毒草の種類が分からず、なかなか完成に漕ぎ着けることができません。 

 

思いつく毒草は全て試した。もうネタ切れ」と流石にギブアップモードに入る千紘君。「あっまだ試してないのがある!ちょっと待ってて!」と外に出たまま帰ってこない礼弥ちゃん。「遅えなあ」と何気に窓の外を眺めてたら、なんと礼弥ちゃんがはるか遠くの絶壁をよじ登っているじゃありませんか!キャーッ 

 

頂上付近で足を踏み外し、転落しかけた礼弥ちゃんの手をとっさに掴んで助けるヒーロー千紘君。街灯も何もない漆喰の闇にも関わらず、ホテルの窓から遥か遠くの崖にへばりついている礼弥ちゃんを的確に捉える視力、崖から落ちそうになり、宙を舞う礼弥ちゃんの手を確実に掴む遠近感と瞬発力、そして自分と同じくらいの背丈の女子の全体重が片手にかかっているのに、平然としていられる筋力。凄え…凄すぎるよ千紘… 

 

いや、待てよ…真っ暗闇の中で険しい崖をヒールで登り降りする礼弥の精神力・運動神経・筋力・スタミナもパネエ…人間じゃねえよお前ら… 

 

変態親父に無断の外出がバレてしまい、虐待を受けた挙句に監禁されることになった哀れな礼弥ちゃん。絶望に打ちひしがれ、千紘君と作り上げた薬を飲み干し、自殺しようとしますが、翌朝普通に起きれちゃいました。 

 

死体を死んだ状態のまま蘇生させる薬を、まだ生きているうちに体内に取り込んじゃったらどうなるのか…?何らかの変化があってもよさそうなものですが、何も起こっていないようです。実は薬に含まれている猛毒によって死んでしまい、すでにゾンビになっちゃってるんだけど、本人がそれに気づいていないのかもしれません。 

 

偶然に偶然が重なって、関係者一同が同時刻に崖に集結。変態親父の振るう鞭からゾンビばーぶを守ろうとした礼弥ちゃんは、そのまま崖下へ転落し、そそり立つ木の枝に腹部を切り裂かれて絶命、と思いきや、むっくりと起き上がって目の前にいる千紘君にニッコリと笑いかけるのでした… 

 

果たして、千紘&礼弥は共同開発したゾンビ薬を量産し、ボロ儲けをするのかしないのか…? 

 

まとめ 

ゾンビな美少女、いいですね~❤ こういうの私、大好きなんですよ。蘭子ちゃんも礼弥ちゃんも滅茶苦茶可愛いし、お色気たっぷりだし。 

 

ゾンビ大好きっ子の主人公。趣味が嵩じて、ついにゾンビを創造する域にまで達してしまいます。ゾンビを創るのに夢中で、その後のこと(ゾンビに喰われるリスクなど)は一切考えていない。まさにマッド・サイエンティスト的な思考の持ち主ですね。非常に危険な人物です。 

 

いとこの蘭子ちゃんも、放っておくと千紘相手に近親相姦をやらかしそうな勢いだし。 

 

礼弥ちゃんはというと、完全に父親に洗脳されているのか、親から虐待を受けているという事実に全く気づいていない。本人どころか、母親も使用人も先生もクラスメートも気づいていない。周囲に助けてくれる者が一人もおらず、相談できる相手もいないという、実に哀れな状況に置かれています。唯一心のスキマを埋めてくれるのは、古井戸の底だけ。 

 

ってか、ネットやスマホが普及している情報社会で、いくらなんでも情弱すぎだろ礼弥。 

 

それにしても、礼弥ちゃんの両親のゲスっぷりが半端ないですねぇ。あの両親の許で育って、よくグレないな~と思います。 

 

ところで、千紘君と礼弥ちゃんの身体能力には目を見張るものがありますね。ふくろう並みに夜目が利いていたり、望遠鏡並みの視力を持っていたり、ニホンカモシカの如く、絶壁をヒールを履いたまま登り降りしたり。 

 

街灯が一本もなく、人も車も通らないようなひっそりとした夜道を一人で歩いたり、猫の死体を何日間も持ち歩いたり、死体を見ても怖がらなかったり、「ゾンビを作ろうとしてる」と聞いても「すごい」の一言で済ませちゃったり、それどころかゾンビ作りに参加しちゃったり、腐敗が進んでいる死体に平気で触れたりと、神経の図太さもかなりのものです。 

 

ちなみに、礼弥ちゃんが転落してゾンビになってしまった崖ですが、非常に危険です。街灯もガードレールもないなんて、今まで転落事故が起きていないのが不思議なくらい。誰も危ないと思わないの? 

 

とにかく、みなさん変。ゾンビが現れても全く違和感ないほど変。 

でも、ストーリー自体は非常に面白く、一コマ一コマ丁寧に描かれており、キャラたちもとてもキュートでチャーミング。むしろ、ゾンビ漫画にいちいちツッコミを入れる方が野暮なのかもしれません。 

ネクロフィリアな男子と天然すぎるゾンビ美少女が繰り広げる、ちょっぴりグロくてちょっぴりムフフなほのぼのラブコメ。あり得ない展開が楽しい作品です。