ケンシロウの体にブラックジャックのメスさばきを持つ男の世紀末外科医伝説!お前はもう治ってる!? 

 

スーパードクターKのあらすじ

野獣の体に神技のメスを持つ男、KAZUYA。日本医学界の最高権威である帝都大医学部を主席で卒業し、天才医師として将来を期待されていたが、先祖代々受け継いだその卓越した能力を時の権力者に利用されることを嫌い、表の医学界から突如姿を消した。 

 

その数年後、鍛えぬかれた鋼の筋肉を黒いマントで覆い、全国各地で尊い命を救いながら卑劣な経済的強者に単身で挑む謎の男が出現する。普通なら助からない重病患者を正確かつ敏速なメスさばきで救い、保身のために平気で人命を奪う下劣漢らに正義の鉄拳を叩き込んで去っていくその男を、人は「K」と呼んだ。 

 

スーパードクターKのネタバレや感想

ケンシロウとブラックジャックを足して2で割ったような、マッチョな天才外科医のKAZUYAさん。超名門の大学を主席で卒業し、一応医師免許は持っているようなのですが、権力欲と汚職と陰謀にまみれた表の医学界に愛想を尽かし、彼の能力を邪(よこしま)な目的に利用しようとする堕落した権力者の魔の手から逃れるために、突如行方をくらましてしまいます。 

 

その後、黒いマントとリストバンドとブーツという、まるで世紀末覇者のような格好で世界各国を飛び回り、強きを挫いて弱きを助ける謎のスーパードクター「K」として大活躍。 

 

謎といっても顔を隠してるわけでなし、むしろ堂々と活動してるし、有名な大学を卒業して有名人のクラスメートもいるので、ちょっと調べればあっという間に素性がバレてしまうとは思うんですが…え?卒業した有名大学が出生日や出身地を記録してない?そんなバカな!杜撰だ!杜撰すぎるぞ帝都大学! 

 

街で不良らによるいじめに偶然居合わせたK氏。不良のボスを一撃で殴り倒し、ボコられていた青年を救うのですが、その青年が重度の腎不全を患っていることを一目で見抜きます。 

 

青年が通院している病院に赴き、主治医である高品(たかしな)医師の「救急隊員ですか?」という素朴な質問に「そんなことよりなんで早く腎臓移植をしない?」と質問で返す傲慢なK氏。腕に自信があるのはいいけれど、核の炎に包まれた後の荒廃した世界じゃあるまいし、お互い初対面なんだから、人をなじる前にせめて自己紹介くらいはしましょうよ。 

 

一方、某格闘漫画の敵キャラのような怪しげなコスチュームに身を包み、アブなそうなオーラを体中から発散している無礼な不審者に対し、患者の個人情報をあっさりと開示しちゃう無防備な高品医師。個人情報の扱いが厳しい今の時代なら即刻クビですよクビ! 

 

腎臓提供者として期待されている患者の双子の弟がバイクで事故った現場にちょうど居合わせたK氏。救助の際に缶をドカンと投げるダジャレのようなシーンは、笑うべきかスルーすべきか悩むところです。それと建設業者のおっさん!可燃物が入ってる容器のそばでタバコなんか吸ってんじゃねーよ!誰かこいつ捕まえろ! 

 

全身やけどで瀕死状態の弟を病院に運んだ後、「このオペは俺がやる!」と勝手に宣言し、院長を突き飛ばしてさっさと手術室に向かうK氏。人の命を救いたい気持ちは分かるけど、自分の病院じゃないんだし、少しは他人をリスペクトしましょうよ。そもそも、兄を運んだ時に自己紹介をさっさと済ませておけば何の問題もなかったでしょ? 

 

一方、依然どこの馬の骨とも分からない無礼な不審者に対し、結果的に重大な手術を任せてしまう無責任な高品医師。相手が神技のメスを振るうK氏だったからよかったものの、失敗したらクビだけじゃ済まないですよ! 

 

一刻を争うんだ!グズグズするな!」と言うから、せっかく麻酔の準備をしておいたのに「いらん!」。「腎臓接合開始!」と言うから、マイクロサージェリーの準備をしようとしたら「いらん!」。あ、この人上司にしたくないタイプだ…と、私なら思います。 

 

よく見ておけ!」と言われても、アナタにしか出来ない超人的な技を見せられたって、凡人の我々には全然参考にならないんですけど?要は、自分のスッゲー能力を見せびらかしたいだけなんでしょ? 

 

最後にやっと高品医師にした自己紹介が 

 

  • 「俺の名はKAZUYA」=それだけ?まあ、「K」よりはマシだけど。 
  • 「どこの病院にも勤務していない」=無職?フリーランサー?別の職種? 
  • 「(医療技術は)誰にも教わってない」=ウソでしょ? 
  • 「表の医学界には興味ない。憶えておけ」=裏の世界の人間?闇医者?人体実験や臓器密売専門?てか、「憶えておけ」ってアンタ何様のつもり?(イラッ) 

 

って、さっぱり要領を得ないんですけど?むしろ胡散臭さが増しちゃってんですけど!?  

まとめ

北斗神拳伝承者ケンシロウの超人的な肉体、名外科医ブラックジャックの天才的な手術テク、そして漫画家小林よしのり氏のゴーマニズムを併せ持つ正義の主人公KAZUYA。ただし、暗殺拳法を振るうことはせず、手術代を請求することもせず、下ネタに走ったりもしません。一体どこに住んでいるのか?何を収入にしているのか?普段は何をしているのか?彼の過去と行動は深い謎に包まれています。 

神の域に達するほどのメスさばきを持つが故に、常に時の権力者から利用され、命を狙われてしまう。そのため表の医学界に出られず、居場所もコロコロ変えてひっそりと暮らしているようなんですが、その割には色んな所でおせっかいを焼き、最寄りの病院に乗り込んでは「このオペは俺がやる!」と勝手に仕切って超絶テクを見せびらかし、悪とみなした者達をボコボコにして、己の存在を強烈にアピールしています。隠れたいのか目立ちたいのか、はっきりして欲しいところです。 

アクションとヒューマンドラマを兼ね備えた本作ですが、ストーリーには不自然でご都合主義的な設定がちらほら見受けられます。例えば、腎臓移植の話では、建設業者が可燃物のそばでタバコを吸っている。倒壊したビルに閉じ込められる話では、患者が都合よく裁縫道具(=後で縫合に使用)を持っており、ビルの通路に座り込んで焼酎(=後で消毒に使用)を飲んでいる非常識な人がいる。心臓移植の話では、悪役の医者が被害者の死を確認する際に医療機器のモニターだけに頼り、本人に対する直接的なチェック(呼吸、体温、肌の変色の有無)はしていない、など。 

まあ、医学の豆知識的な情報が盛り込まれていて勉強になるし、痛快な格闘アクションシーンが拝めるし、手に汗握る手術シーンもあるしで、純粋な娯楽マンガとして読む分には充分楽しめる作品です。